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超きまぐれに更新してます。 さて、風丸をもぐもぐしようか。
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俺のはじめての恋はずっと昔の話。

あれは恋なんてよべるようなものじゃなくて、憧れにちかいものだったと思う。だけどその淡い想いが恋に変わる前にそれは終わってしまった。
でもきっと、あれが俺の、初恋。


やさしくてあたたかくてどこか脆い、あこがれのひと。
兄さんや畝那兄さんや、ブランダーさんも尊敬していたけど、あんなふうになりたいと感じたのはやっぱりあのひとでした。

あのひとにもらった指輪は指に填めても抜けないようになりました。
もらったときには親指にいれてもぶかぶかだったその指輪が、今ではすっかり小さくなったように感じます。



俺は13歳になりました。
兄さんと畝那兄さんが付き合い始めたそうです。ふたりにはずっとずっと幸せになってほしいと思っていたので、俺も嬉しいです。

俺の世界は、狭い。
兄さんと畝那兄さんとあのひとと、ショコラとモードとほんの少しの友達だけ。
そしておそらく俺は物欲が薄い。
兄さんたちからもらえるしあわせは俺にとっては多すぎるくらいで、それが俺のほしいものぜんぶで、俺はとてもしあわせだった。それだけで満ち足りていた。ずっとそうだと思っていた。






その風に舞う濡れ羽の髪が、長い睫に縁取られた閃くピーコックの瞳が、緩やかに弧を描く唇が、


目が離せなくなりました。心臓が壊れてしまいそうなほどに体中に血を送って、全身が熱くなりました。電撃が走ったように動けなくなりました。まるで俺だけが時に取り残されたように感じました。



俺はあなたに、恋を、しました。




初恋は穏やかなものでした。けれどもこの恋は、穏やかなんてものじゃなくて、この身を焦がすような苛烈なものです。
知っているのは彼の寮と呼ばれていた名前だけ。
だのに俺は彼が愛しくて仕方がありません。


神さま、俺はこの恋を叶えたいなどとは思いません。
ただ、どうかどうか、彼が幸せでありますように。
彼がわらっていてくれるなら、きっと俺もしあわせなのですから。

でも、できることなら一度だけ、彼の瞳に映ることができるなら、俺はそれでもういいのです。

俺は、彼を見つめることができるだけで、もう充分なんです。








だから神さま、こんなことって。


「ねえ、俺のこと見てた?見てたの?」


あなたは俺を殺す気ですか。




うちのウザキャラフォンが火を噴いた模様です。
まじでまどしゃんあいしてる!!!!!!!

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アトベントキャンドルの二本目に火が灯された。
シュトーレンを少し切り皿に移して口に含む。手についた粉砂糖を舐めとれば仄かな甘さが広がった。


何てことはない冬の日の光景だ。


紅茶をいれてサイドデスクの上に置く。ジャムの溶けた紅茶をティースプーンでかき混ぜながらノートパソコンがスタンバイ状態になるのを確認してスケジュール帳を開いた。
黒い革張りのそれは年季が入っているものの綺麗で、持ち主の性格があらわれている。


ホグワーツのダンスパーティーまであと三週間を切った。

アロイジウスインガムはため息をついた。
あの人見知りの弟が誰かと踊れるのかも下手な輩に絡まれたりしないかも心配だが、目下の心配ごとはそれではない。

畝那のことだ。



一昨年晴れて恋人となった彼とクリスマスを過ごしたことは、六年生だったころから七年間のうち一度もない。

一昨々年はアタック中で一昨年は二人ともそれどころではなかったし、去年は俺の方の仕事の関係で忙しかった。


二人には特に恋人らしく行事を一緒に過ごすといった観念はない。

そもそも特別な日だから一緒にいる、というのではなく畝那と一緒にいることのできる日は全て特別でかけがえのない日だとロイは思っている。だからクリスマスだから絶対一緒にいたいとは思わない。


だが、ロイが心配しているのはダンスパーティーで畝那が誰かに誘われ、誰かと踊るのではないか、ということだ。事実去年は誰かと踊ったということも聞いている。

別に踊ることが駄目な訳じゃ決してない。それも畝那が楽しんでいるのならそれを寧ろ喜ぶべきなのだ。

第一、一時期畝那と縁の切れていた時の自分はそりゃあもう酷かった。若気の至りなんて言葉では誤魔化せないだろうことはしていたし、そのことについて畝那に言及されたら謝ることしかできない。

ただそれでもある種の好意を持った人間が畝那に触れるなど、考えただけで虫酸が走る。
知らず知らずに握った手に爪が食い込み血が滲んでいるのに気付いて、一度大きく息を吐いた。

誰かが畝那の白いポインセチアを身に付けるなら引き裂いてやりたい、と考えた己の思考を無理やり打ち消す。


「……いや、まて」


そうだ、あそこのダンスパーティーはペアと花を交換して初めて成立する。ベルなんかもあるのでそれを考えなければだが。

学生時代はふたりではなかったから、花を交換したことがなかった。
たったそれだけのことにようやっと気付いた。

スケジュール帳に目を滑らせる。
今抱えている仕事は2つ。ひとつは魔法界の児童向けの本でもう一つはマグル向けの、といってもこちらでも人気のある長編ファンタジーの最新作だ。両方とも締め切りは、23日。





「お前また来たのか?今日は一体何のようだ」

「ん、ちょっとな」

無理やり許可を取り付けてやってきたホグワーツの図書室は、本独特の匂いが心地よい。
いつものように本の虫になっている畝那にチョコレートを渡しながら笑いかける。

目を輝かせてチョコレートを眺める畝那が贔屓目抜きで可愛らしく微笑ましかった。
トリュフチョコだぞと話しながらざっと辺りを見渡せば積み上げられた本の上に白いブローチがちょこんと鎮座していた。
その白い花を掬い上げて意地悪な顔を浮かべる。

「これ貰ってくぞ」

「は、何を……」

代わりに持ってきた白いフローズンローズを本の上にのせる。
ブローチを口元に運びリップ音をたてるようにキスをした。

「イヴの夜は空けとけよ?畝那」

「なっ、まてロイ、お前!」

言い逃げをする形でに出口へ向かへば引き留める声がする。
しゃりんとペンダントが澄んだ音をたてた。

「Twelfth Nightに、この場所で」

ばたん、と扉がしまる。


久々にロイは上機嫌だった。クリスマスに畝那に渡すリングも創っている。畝那がよろこんでくれるのならば三つを同時進行なんて軽いものなのだ。

もういっそオランダでもベルギーでもスペインでもノルウェーでめスウェーデンでもポルトガルでもいい。移住したい気分だ。
ロイは畝那が綾浪の家に縛り付けられているのが不満である。そして綾浪の家を畝那が好きじゃないのも知っている。ロイが全ての力を総動員させて潰そうと思えば潰せる。
だが畝那はそれをよしとしないだろう。

ならば畝那を綾浪じゃなくしてしまえばいいのだ。

「クリスマスにプロポーズするのも悪くない、かな」

笑みを隠そうともせずにホグワーツを後にする。
もう一度ポインセチアに唇を落とし歌うように紡ぐ。



「嗚呼、真実に、私の心は燃えている!」

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うかばんねん

セナ・アヤナミという人間を視認したのは確か2年生のレイブンクローとスリザリンの試合をみた日だろう。
狡猾なスリザリンがするすると蛇のようにレイブンクローを絡め、点数を奪っているなか、奴はただひたすらにスニッチを追っていた。揺れた黒髪の鮮やかさに瞳を奪われ思わず息をのんだ。しかし、次の瞬間には彼は地に落ちていた。
スリザリンのシーカーに強烈なタックルを食らい箒ごと投げ出されてしまったのだ。
スリザリンのシーカーは見事スニッチを手に入れていて、彼は折れたであろう片腕を抱え込んで直ぐ起き上がった。

「大丈夫かい、セナ」

何故かスリザリンの教師、レオパルド先生が彼の体を支えるも彼はそれを振り払い金のスニッチを恍惚そうな表情で見つめるスリザリンのシーカーに近づいた。

「おや、穢れた血。勝った私に何か用?」
「誰が穢れた血だ。ファック!!クソ女が!今の明らかに狙いやがったな!このビッチ!!ブン殴ってやる」
「何ですって?!私を侮辱したわね!」
「先に侮辱したのは手前だ!その面今より不細工にしてやる!」

ガン、と痛そうな音が響いた。当たりはとうに静まり返って、誰もが彼とスリザリンのシーカーを見つめていた。
片腕というハンデをもちながらも足を器用に上げ、女子だろうと加減なく顔面にぶち込んでいたのだ。呆気にとられた先生たちは見事に口をあけ、レオパルド先生は急いでセナの体を抑えつけた。

「セナ!」
「糞が!誰が、穢れた血だ!」
「セナ、いい子だから、もう大人しく医務室に行きなさい。ね?」
「チッ、…はい」

印象はもう強烈すぎた。あんなのがレイブンクローのシーカーとか、もうまじ怖い。そう思って今日の試合で怪我をしたもう一人の友人の見舞いをするために医務室へ足を運んだ。



医務室の香りは、昔おばあちゃんの居た病院の香りがして嫌いだった。先ほどより幾分か落ち着いた俺は先ほどの失態に頭を悩ませながら、もう一人寝ているであろう友人を放置し座っていた女医に腕を突き出した。

「折れました」
「アンタ、今日女の子の鼻蹴ったんでしょう?駄目じゃない」
「あの女が穢れた血なんて俺にいうから。頭に血が上って。」
「アンタは、」
「普段はまともですよ」

そう普段みたいに笑い、逆に曲がった腕を女医は面倒そうに触診し始めた。
痛みは昔からさほど感じない。鈍いのだ。何があっても痛みを感じない。飼い熊のヨシモトさんにわき腹引っかかれたときも針が刺さったくらいの痛みしか感じなかった。自分でも呆れるくらい鈍いと思ってる。

見事な不完全ね

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思えば物心ついたときから俺は周囲に期待をされていた。

曾祖父は例外だったが俺は魔法使いの家系だ。中でも俺は生まれながら魔力も強く、頭の出来も身体能力も他の子どもより格段に上。期待するなという方が無理な話で、天才、鬼才と持て囃され、所謂英才教育というのを受けて育った。
残念なことに思考の方も妙に大人びていて、無意味に反発するより甘受することを選んだ。
子どもらしく遊ぶこともあまりなく、親からの愛もあったにはあったがおよそ普通の愛ではなかった。
ただ目の前に出された料理を食べるだけのように日々を過ごした。口に含み、咀嚼し、飲み込む。その動作の繰り返し。

確かにどこかで逃げたい、とも思っていた。けれどそれをしなかったのは俺の弱さだ。多分おそらく俺は変化が怖かった。変化しない世界の中で変化を望み、同時にその得体の知れないもの恐怖していた。

アロイジウス=インガムに与えられた役を演じていれば周りは満足する。
抵抗を止め周りの作った道の上を歩くのは、少なくともあの時の俺にとっては息をするように簡単で当たり前のことだった。
身動きが取れない程の重圧の中で、そこに光が射し込まれたのは弟が生まれたとき。
自分は初めてそこで己がボロボロであることに気がついた。頑張ること我当たり前すぎて壊れそうだったことに漸く気づけた。
屈託無く伸ばされたもみじのような小さな手が、確かに俺の手を掴んだ。
きっとそれが俺にとっての初めての休息だった。


やがてホグワーツに入学して――畝那に出会った。
ホグワーツに入学してからの俺は満たされていた。周囲からの期待や悪意はかわらず重かったが信頼できる友人と尊敬する先輩や教師、そして何より畝那がいたから俺は幸せだった。

畝那が好きだった。何で好きになったかと訊かれればよくわからないとしかいいようがない。けれどあいつのいいところも悪いところも全部愛しいと思ってしまうほど俺は畝那が好きだった。
ただ、俺は戯れのように畝那に愛を囁いてはいたがこのぬるま湯のような関係を壊す気は全くなかった。

畝那が起こす乱闘を止めるも、まあ実際は止めるという名目で若干混じっていたのだが、それも楽しんでいた。他人との喧嘩は後から面倒になるからと、むかつくことがあると兎に角片っ端から本を読むような奴だったから偶の喧嘩は正直楽しかった。

クィディッチも好きだった。飛んでいるときは他のことを考えないで済むし、チームメイトもいい奴ばかりで、それに空飛ぶのとは楽しいのだから。

そう、俺は確かに満たされていたのだ。


そうして六年の月日が過ぎた。六年生でいることも残り1ヶ月を切り、このぬるま湯に浸かったような生活も、もう一年ほどしかないのだと思うと何となく虚しかった。

「なあロイ、今少しいいか?」

そんな時だった。×××に話しかけられたのは。

「なんだ、試合のことか?」
「いいや、そうじゃないんだが。その、ここじゃあ話しにくいことなんだ」

×××は同じ寮で一年の頃から仲もよくクィディッチのチームも同じ友人だった。友人、だったのだ。
あの時の×××の様子がおかしいことに俺は気付いていた。だがそれは少し前からあったことで×××自身にそれとなく聞けば、これは一人で考えなきゃいけないことなんだと苦笑しながら答えていたから、もしかしたらそれについての相談なのかと特に気にも留めていなかった。

ぎしりと蝶番がきしみ、次いで×××が杖をふり錠の掛かる音がした。×××は無言で、こちらを振り返ろうとはしなかった。いきなりどろっとした嫌な感覚が肌を刺した。まるでボタンをかけ違えたような妙な違和感が周りをとりまく。声をかけようと口を開くと×××は振り返り、俺は戦慄した。彼は、歪に笑っていた。常ならば優しさを湛えるはずの目は濁り冥い光を灯すばかりで、何もうつしていない。
机の倒れる音と拘束の呪文が響き、背中に鈍い痛みを感じた。だが俺には何が起きたのか意味がわからなかった。いや、わかりたくなくてわからないフリをした。

「なあ、おい。何でそんな顔してんだよ」

感情が削ぎ落とされたような声で×××は言った。見上げたその表情もその声しずかで、なのにやっぱり目だけはぎらぎらともえている。
うまく呼吸ができなくなった。ああ、その目の炎は、まっくろなそれは、嫌悪と嫉妬。

「聞いてるのか?聞けよ、すかしてんじゃねえよ。何なんだよ……何なんだよその目はっ、その顔はっ!ははっ、やっぱりお前は俺を見下してんだろ?俺のこと陰でわらってんだろっ!?」

声を言葉として認識できなくて、只々これが夢であってくれと願った。そんなことが有るはずないと背中の痛みが訴えるのを、理性の考えを無視して。

「お前はいつもそうだ!お前といると俺が惨めになる。邪魔なんだよ……俺がどんなに頑張っても、いつもお前は俺の前を悠然と歩いてる!当たり前みたいに全部をかっさらってく!主席も!シーカーも!キャプテンも!」


「アヤナミだって!!」


声を荒げて叫ばれた言葉に、じくじくと脳をゆさぶられる。何故だ、どうして、どうしてこうなった。何で、何で、何で「彼は俺の隣にいるべき人だ!アヤナミもお前なんかといて楽しいわけがない。彼だけじゃない、お前の周りにいる全ての奴はお前のことを嫌ってる、憎んでる、疎んでる!他でもない俺が言うんだ、それが真実なんだ……お前のことを好きな奴なんていないんだよっ!」

×××は、×××だった男は右手に持った杖を振り上げた。口から零れる呪文を、俺は知っていた。

それは、おぞましい禁呪、ゆるされざる呪文。

空間にぽっかりと穴が空いたような黒いナニカを視界に掠めた刹那、右足が灼熱の激痛につつまれ、咽喉からは人が出せる限りをこえる絶叫が轟いた。



その後何があったのかは覚えていない。途切れ途切れの意識の断片の中で魔法は不完全で暴走し術者は片腕のみを残してこの世から消え去った、ときこえた。
思考の海の中で、どうしようもなくなった。

人に欺かれることなどよくあることで。けれども、でも、×××は――友達だった。×××は、親友と言っても過言でないほどの、友だった。

真っ暗な闇に堕とされたような気がした。消えてしまいたかった。俺という存在を壊してしまいたかった。全てに絶望した。もう終わりにしてしまいたかった。
ただ、手に触れるあたたかさだけがぎりぎりのところで俺をつなぎ止めていた。

やっと俺が目覚めたとき、心は磨耗しひび割れすっかり壊れてしまった。
左目は色をうつさず、あるはすのない右足は痛みを叫ぶ。友も、未来も、心もなくして、あるのは虚無だけだった。
だが畝那のことだけがちらりと脳裏に去来した。それを自分は無理やり奥に押し込んで鍵をかけた。
俺を見て涙をこぼす彼に俺は、手を握りかえすことさえできなかったのだから。

ホグワーツでそれ以上手を尽くすこともできず、俺は家に帰ることになった。義足は慣れず歩くことさえ出来ず、俺は部屋から出ることをやめた。
両親は元の俺に戻ることを願って、最初のうちは毎日のように扉を叩いていたが次第にそれもなくなった。
そんな中で弟だけがずっと俺のそばにいてくれた。家にいるときはずっと俺の部屋の前に座り、ただ何もせずそこにいてくれた。たまに手作りと思しき料理がドアの前に置かれて、最初は不格好だったそれに、なんだか泣きたくなった。
少しだけ心が落ち着いた。

扉を開くまでに半年を費やした。
迷惑をかけてすみません、もう大丈夫ですと微笑めば両親や周囲はよかったと安堵した。
弟だけが心配そうに俺を見上げていて、情けなくなると同時に、どこかで感謝していた。

その頃からリハビリと、ちょっとしたアソビと、文章を書くようになった。
思い通りになる世界が欲しかった。紙の上は無限であり全てがあった。書いて書いて書いて、何の気なしに応募したそれが賞をとったと聞いても、ただ書き続けた。


一年がたった。来年からホグワーツに復学することが決まった。
俺がいない一年の間に、きっとあそこは変わっているのだろうと思うと辛かった。何より、もうそこに畝那はいないのだ。
会いたかった。ただ一目見たかった。もう会えなくなるだろう愛しい人に、会いたかった。





「……なんでここに、」

俺は答えない。応えることができない。

ホグワーツの図書館の奥に、畝那はいた。
ここまで大分無理して会いに来て、でも彼に伝えられることはないと痛感させられた。
畝那の長い髪が揺れる。俺の居なかった一年で伸びたその髪が、否が応でも一年の隔たりを告げた。

畝那が眩しくて眩しくて、目を細めて、笑った。

「卒業、おめでとうごさいます。綾浪先輩」

やっとのことで紡いだ言葉は、みっともなく震えていて。
畝那は泣きそうな顔でお前のそういうところが嫌いなんだと吐き出した。
俺はただ、眩しそうに笑った。
渇いた頬を伝う冷たさに気付かぬ振りをして。


さようなら、愛しいひと。







休学中に書いた本がベストセラーとなり、俺は作家になった。文を書くのは楽しかった。
物語だけでなく魔法書もかいた。マグル向けの本も書いた。
書いても書いても書き足りなかった。
空いた穴を埋めるように書き続けた。


何年かたった頃、ホグワーツの二年生になる弟から電話がきた。
まだ家を出て1日しか経っていないのに何あったのかと心配しながら電話に出れば、弟は常になく焦って、こう言った。


「兄さん、ホグワーツの新しい司書さんね、畝那兄さんなんだよ。ねえ兄さん、俺もう辛そうな兄さん見たくないよ……今会わなきゃ絶対に後悔する、兄さんに畝那兄さんに会いにいって欲しい。兄さん、兄さんっ」

泣きそうな声だった。
憑き物が落ちたような気持ちだった。

俺には、畝那が足りなかった。

弟に心配をかけたと思うよりまず体が動いた。
畝那に、会いたかった。

畝那が好きで、きっと一生好きで、畝那がいないと俺は駄目なんだとおもう。だから。



「会いにいくよ、畝那」


止まった時が動き出すまで、あと少し。




**************
まどさんがすきすぎてつらい^/////^
あいしてるんだから!(^3^)ノ❤

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めずらしくもなく、まあボロボロ喋るがえろくはないはず。そうだえろじゃない!((

※身内小説



レオーネ・ドミティウスと私、プルプニー・マトリョシカの関係を言い表すならば、セフレという利害一致の関係だった。
彼が私を求めるのはあまりにも収穫のない日で、私が彼を求めるのは自らの痛みをセックスで忘れたいときだけ。
まれにみる体の相性に、レオーネとしては性欲処理として放すことが惜しく、傷の癒えない私としては唯一の拠り所だったのかもしれない。

出ている授業も似たようなものなので、軽い会話やキスは二人にしては普通の事でしかない。だが、関係を知らない人からすればまるで恋人みたいだと言われる。しかし二人して「それはない」とだけ言い放ち、その場でサヨウナラ。二人を知る人物からすれば苦笑しかこぼれない。

「プルプニー、今夜は暇かい」

そう言って魔法史の際に顔を覗き込み、私の手を握ったのは前述のレオーネだった。

「生理中の私にそんな事言わせるの?馬鹿なの、死ぬの?」
「君って本当に生理の時カリカリしてるよね。でもたまにはそんなスリルのあるセックスしようよ」
「わかった、教育的指導のお時間なのね。」
「冗談だよ」

肩を竦ませ笑えば彼は私の太ももに手のひらを置いた。撫でるように指先を上下させればひんやりとした

「最近、君と随分ご無沙汰なんだけど。」
「あら、そうかしら」
「TN、彼ほかの子にも誘われたみたいだね」

カタンと、眠っている誰かの羽根ペンが机で倒れた。

「まるで4年前みたいだね。ねえ、誘ったんだろう?」
「おだまり、その口閉じて」
「俺、君のその目好きだよ?」
「私は貴方のその口がきらい」
「相性はいいのに?」
「性格があわないわ」

そう言って太ももを撫でていた手をのければ彼は意味もなく小さく笑った。

「叩かないの?俺のこと嫌いなんでしょ?」
「優しい私があなたをたたいたことがあって?」
「何度も」
「縫いつけるわよ」





ぐは、身内^^お子様おかりしました》レオーネくん

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プロフィール
HN:
冬四朗@冬雪
性別:
女性
趣味:
昼寝と勝手に叫ぶこと
自己紹介:
関西在住のニートになりたいダメ人間。最近はイナイレとRKRN、オリジナルにお熱。イナイレはもう皆嫁においで状態。RKRNは成長は組やばくて死にそう。とりあえず、みんなお嫁においで。ボカロとかもすきです。ハチさん大好きすぎて死にそう。だいたいは音楽でできています。自由気ままにバンドとかしてます。ただし、音信不通が普通です。めんどくさがりなんです。だいたい気が向いたらメールとかも返します。めんどくさいんです。
対人スキルが皆無に等しいかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。ついった→http://twitter.com/toipetto
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